2022.5.25刊
四六判並製360頁 2420円(税込)
ISBN978-4-88059-434-7 C0095
村上春樹をめぐる、伝説の「ライブ討論会」があった。1992年2月22日、場所は厳冬の高野山宿坊。高度成長とバブルが頂点に達し、右肩下がりの「失われた30年」が始まった。冷戦が終結し、先進国の産業が空洞化し、中国が台頭していく。思考のフレームが溶解していくなか、人々は手探りで、生き方、考え方を模索していた。……村上春樹の小説は、この時代の特別な出来事だ。戦後の日本人が、世界の人びとと、同時代を同じ歩幅で歩んだことを証明するものだった。高野山ライブ 動画公開中!
★「産経新聞 6/26」に書評掲載(上原隆氏評)
★「毎日新聞 6/26」〈村上春樹をめぐるメモらんだむ〉にて紹介
★「現代詩手帖 7月号」〈詩書月評〉欄にて紹介(須永紀子氏評)
★「図書新聞」〈2022年上半期読書アンケート〉にて紹介(細見和之氏選)
★「図書新聞 8/27号」に書評掲載(宗近真一郎氏評)
★「神戸新聞 8/20」に書評掲載(石丸淳也氏評)
★「飢餓陣営 55号」に書評掲載(日下部正哉氏評)
著者:加藤典洋(かとう・のりひろ)
1948年山形県生まれ。文芸評論家。早稲田大学名誉教授。1985年『アメリカの影』刊行。『言語表現法講義』で新潮学芸賞、『敗戦後論』で伊藤整文学賞、『テクストから遠く離れて』『小説の未来』で桑原武夫学芸賞を受賞。他に『戦後入門』など著書多数。2019年没。
著者:小浜逸郎(こはま・いつお)
1947年横浜市生まれ。批評家。1981年『太宰治の場所』刊行。著書に『日本の七大思想家』『13人の誤解された思想家』『デタラメが世界を動かしている』他多数。国士舘大学21世紀アジア学部客員教授(2002〜21年)。横浜市教育委員(2008〜12年)。
著者:竹田青嗣(たけだ・せいじ)
1947年大阪府出身。哲学者、文芸評論家。早稲田大学名誉教授。大学院大学至善館教授。1983年『〈在日〉という根拠』刊行。著書に『自分を知るための哲学入門』『現代思想の冒険』『陽水の快楽』『現象学入門』『欲望論』(第1巻・第2巻)他多数。
著者:橋爪大三郎(はしづめ・だいざぶろう)
1948年神奈川県出身。社会学者。東京工業大学名誉教授。大学院大学至善館教授。1985年『言語ゲームと社会理論』刊行。『ふしぎなキリスト教』(大澤真幸と共著)で新書大賞を受賞。著書に『はじめての構造主義』『はじめての言語ゲーム』『丸山眞男の憂鬱』他多数。
2017.11.30刊
四六判並製384頁 2530円(税込)
ISBN978-4-88059-402-6 C0095
文芸評論家・加藤典洋はときに著者よりも深く、鮮やかに文学作品を読み解く。その一方、デビュー作『アメリカの影』、代表作の一つ『敗戦後論』に見られるごとく、戦後日本の追究を自身の思想の足場として保持してもいる。この二つを両輪に、長年、徒手空拳のまま「現在」と向きあい、数々の魅力的な論考を発表してきた。本書では、この非凡な批評家の1999年以降、現在までの対談を精選。現代社会の見取り図を大胆に提示する見田宗介、また今は亡き吉本隆明との伯仲する対談など、時代に流されない、忖度なき思想家、同時代人との「生きた思考」のやりとりを収録した。
【目次】
1、人びとと生きる社会で
時代みつめて 今、求められているものは(田中優子)
苦しみも花のように静かだ(石内都)
こんな時代、文学にできることって、なんだろう?(中原昌也)
〝終わらない戦後〟とどう向き合うのか(古市憲寿)
沈みかかった船の中で生き抜く方法(高橋源一郎)
「ゴジラ」と「敗者の伝統」(佐野史郎)
ゴジラと基地の戦後(吉見俊哉)
2、人びとの生きる世界で
3・11以後をめぐって(池田清彦)
『身体の文学史』をめぐって(養老孟司)
現代社会論/比較社会学を再照射する(見田宗介)
吉本隆明を未来へつなぐ(見田宗介)
世紀の終わりに(吉本隆明)
存在倫理について(吉本隆明)
半世紀後の憲法(吉本隆明、竹田青嗣、橋爪大三郎)
あとがき
※( )内は対談者
1977.8.31刊
四六判上製384頁 1980円(税込)
ISBN978-4-88059-021-9 C0095
江藤淳の批評・文学の核心を「感受性」の「自己憑依」に見定め、その文学の本質とたどるべき命運を鮮やかに描き切った本書の成立は、以後の〈江藤淳論〉の指標となるばかりか、新たな批評文学の誕生を告げるものである。
1986.3.25刊
四六判上製264頁 1980円(税込)
ISBN978-4-88059-091-2 C1095
「齋藤緑雨論」(群像新人賞)で鮮やかなデビューを遂げた気鋭の第1評論集。折口信夫論、三田誠広と立松和平、武田泰淳と江藤淳などを収録。
1986.6.25刊
四六判上製168頁 1650円(税込)
ISBN978-4-88059-093-6 C1095
「始原の声」につづく第2評論集。初めての本格的作家論。吉本・磯田ら先人の着目しえなかった重治像を抽出し、その原点に迫る野心作。
2002.4.25刊
四六判並製176頁 1650円(税込)
ISBN978-4-88059-287-9 C0098
全世界を巻き込んだ《ハリー・ポッター現象》の魅力はどこから生じてきたのだろうか。本書を読むと、『ハリー・ポッター』は2倍楽しくなる。
2002.5.25刊
四六判並製240頁 1650円(税込)
ISBN978-4-88059-286-2 C0098
英国児童文学の重鎮・エクルズヘア女史が『ハリー・ポッター』の生成と成功への過程、さらにその隠された本質を分析し、論述する。
2004.1.25刊
四六判並製256頁 1650円(税込)
ISBN978-4-88059-307-4 C0098
前二書に劣らず、徹底した探求書。ドイツの伝統を踏まえた、幅広い視野から、盗作騒ぎや、《ハリー・ポッター》の社会学的局面、心理学的局面にまで及んでいる。類書でもっとも重厚な一冊。
2006.1.25刊
A5判上製880頁 9900円(税込)
ISBN978-4-88059-283-1 C3098
文芸学の古典。ポルトガル・スペイン語版を底本に、ルーマニア語、韓国語各版の注、解説。「カイザー『文芸学入門』刊行50年記念論集」(2001年)からも論文を収録した国際色豊かな決定版。
2007.5.25刊
A5判上製296頁 3300円(税込)
ISBN978-4-88059-337-1 C3098
名著『ミメーシス』の著者アウエルバッハが懇切丁寧に講じた、ロマンス諸語(フランス語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・ルーマニア語など)の起源と歴史。
2003.2.25刊
A5判上製328頁口絵1頁 5500円(税込)
ISBN978-4-88059-301-2 C1098
スロヴァキァの学者による原著の待望の邦訳。《影響》概念の見直し、文学間過程、発生論的接触と類型論的類似性などから、世界文学の唱道へと至る。雄大なスケールをもって、比較文学研究を体系化する野心作。
2008.5.25刊
A5判上製192頁 3300円(税込)
ISBN978-4-88059-345-6 C3098
言語と諸記号(イメージ・文字・音)との相互関係から、現代世界を考察してきたイタリア記号論学会の第一人者による代表作の待望の邦訳。
1974.12.20刊
四六判並製304頁 1320円(税込)
ISBN978-4-88059-009-7 C0098
19世紀フランス文学のそれぞれのジャンルを代表する3人の作家の生誕百年を記念して執筆された三つの論稿は、作家の内面に分析の焦点を定めることによって、いずれも見事な成功をおさめている。
1995.6.25刊
四六判上製328頁 2090円(税込)
ISBN978-4-88059-198-8 C1098
1980年代シェイクスピア批評に多大な影響を与えたバーバーの遺著。マーロウの『タンバレイン大王』『フォースタフ博士』とキッド『スペインの悲劇』の三つの作品分析を通して、エリザベス朝悲劇の創造過程を究明する労著。
1985.7.25刊
四六判上製256頁 1650円(税込)
ISBN978-4-88059-087-5 C0098
イギリスを見たこともない人たちのためにと執筆された好著。誕生から死まで、戯曲の年代考証、作品内容への宗教・古典文学・ギリシャ神話の影響、当時の舞台などをわかりやすく説明してくれる。
1980.2.28刊
A5判上製464頁 18700円(税込)
ISBN978-4-88059-032-5 C3098
スタンダールとメリメには比較をも不可能にするほどの相違がある。ロマン主義時代から最初の小説創造までの期間を検証する中で、従来の個人研究では明確にならなかった諸点を根本的な次元で明らかにする。フランス語。